未来デザイン
アミタの
未来デザイン
いのちの尊厳を、守る
世界は今、新たな秩序を求めています。
それは
作れば作るほど、売れば売るほど、
働けば働くほど、生きれば生きるほど、
自然資本と人間関係資本が増加する持続可能社会。
私たちは、人と自然の豊かな関係性こそが
最大の価値となるような
“いのちをコストにしない未来”をデザインします。
CVO
MESSAGE
大分断の時代を乗り越え、
新秩序の構築へ
アミタホールディングス株式会社
代表取締役会長兼CVO 熊野英介
新年あけましておめでとうございます。
旧年中は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました。
新年度の始まりに際して、ステークホルダーの皆様へご挨拶を申し上げます。
無秩序な大分断化へのシグナル
世界における国家間・人種間・宗教間の大分断化の加速を、私は危惧しています。
歴史を顧みると、2001年のアメリカ同時多発テロ以降、社会の不安を煽り、巧みに人々の心をコントロールする「ショック・ドクトリン」の動きが本格的に始まりました。
2008年に起きたリーマンショックや、その翌年のビットコインの出現は、大分断化時代の予兆だったのかもしれません。2015年にはパリ協定が採択され、翌年のアメリカ大統領選挙では、公職経験が全くないトランプ氏が勝利。同年、イギリスのEU離脱が国民投票で決まりました。そして、AR(拡張現実)を活用したゲーム「ポケモンGO」が、社会現象を起こしたことも強く印象に残っています。
国家ではなく、情報が信用を保証する国際仮想通貨の出現。
反グローバル化の流れ。
バーチャルとリアルがボーダーレスになる社会。
2020年の新型コロナウイルスによるパンデミックは、バーチャル社会の拡張を加速させ、ソーシャルディスタンスといった隔離や分断が日常化しました。2022年にはロシアのウクライナ侵攻、翌年にはイスラエル・ハマス紛争が世界を揺るがしました。そして今年、アメリカでは再びトランプ氏の政権が発足され、上下両院を共和党が掌握することになります。
トランプ氏によるアメリカ・ファーストかつ孤立的な新モンロー主義の推進。感情や感覚が優先され、客観的事実が持つ影響力が弱くなる、ポスト・トゥルースな社会。分断が進む社会では、人々は冷静な客観視が出来なくなり、自分が見たいようにしか物事を見ず、聞きたいようにしか聞かなくなってしまいます。
アミタグループの創業期である1979年頃にも「企業は利潤の最大化を目指し、納税と雇用創出にさえ努めていれば、社会貢献できる」と言う人は大勢いました。
しかし、弱みにつけ込んで欲望を煽り、不安を政治や経済の駆動力とし、公害や孤独問題を生み出しながら納税と雇用創出に努めて作られた社会が健全とは到底思えません。
今、私たちに必要なものは、不安に変わる新たな駆動力ではないでしょうか?
希望への原動力
2024年のダボス会議のテーマは「信頼の再構築」でした。「信頼」とは、目に見えず、心でしか認知することができません。「勇気」や「思いやり」も、感じることしかできない価値です。
しかし、不安や不信感が充満し、経済的な動機でしか損得を勘定できない社会が続けば、人々の自己実現の証明は経済的な成功という手段に依存してしまいます。そうなれば、人々は社会の向上よりも自己利益の追求を生きる目的とし、遠い未来を想像する力が弱くなってしまいます。
社会の混沌が深くなるほど、人から与えられた安心では不安は消えません。不安を自覚すればするほど、人はさらなる安心を望みます。安心は、英語で“peace of mind”、つまり心の平和を表します。
平和には、諍いや分断を生み出さず、孤独を追放する「持続可能社会」という希望の実現が欠かせません。その原動力となるのは、安心を作る当事者になるための「豊かな関係性」なのです。
新秩序の構築へ
持続可能社会という新秩序の構築には、環境、社会、経済の持続性の同時実現が必要です。今こそ、私たちは「豊かな経済を支える社会が健全である」という近代の価値観から、「豊かな社会を支える経済が健全である」という価値観へと転換する必要があります。
近代の見込み大量生産は、原材料の安定供給と人口ボーナスによる市場拡大を前提として成立していました。しかし現在は、資源枯渇や人口減少を背景に、不安定供給と市場縮小が前提となる時代に突入しています。市場を拡大すればするほど原材料の価格が高騰する社会において、拡大再生産モデルは限界を迎えつつあります。
そこで、不安定・不確実な制約条件の中でも、最適な調達を可能とする新たな市場が必要になります。そのような調達において主役となるのは「モノ」ではなく「価値観」であると考えます。
市場の価値観が従来の大量消費社会に基づく所有・消費欲をベースにしていると、人は均質のモノを得なければ、価値を感じられず満足できません。しかし、調達の限界を超え、人々を満足させるためには、たとえモノは同一でなくても、人々が求める価値に共感・共有できる調達をすればよいはずです。例えば、市場の価値観が「どうせ買うなら環境や社会にいいものを」という共感と共有に基づいていれば、海外から不確実に調達されたバージン原材料よりも、自分の住む地域で確実に調達された原材料を利用して作られた商品の方が、品質は違っても価値も満足度も高くなるはずです。
社会と暮らしは、政治や経済と密接です。政治や経済が変われば社会も暮らしも変わります。
社会と暮らしが創り出すのが産業であり、この産業こそが、価値創出の駆動力になります。
つまり、自然を豊かにすることで環境の持続性を、人間関係を豊かにすることで社会の持続性を増幅させつつ、自然資本と人間関係資本の持つ価値を安定的に調達し市場化することが、今、企業に求められているのです。これこそが、豊かな関係性を生み出すための経済の持続性です。
その際、「豊かな関係性」に基づき安心や信頼を増幅させる社会のメカニズムを構築しなければなりません。そのメカニズムの重要な要素は、循環(サーキュレーション)と包摂(インクルージョン)だと考えています。
アミタグループは、自然と人間の活動が調和し、すべての生命が共存・繁栄できる循環性と包摂性を備えたシステムの構築、すなわち「エコシステム社会」の実現を目指しています。
そのために、国内戦略においては、成長段階から成熟期へと移行する内需拡大を視野に、企業や地域の持続可能社会への移行戦略を加速するための支援事業を強化していきます。Do tank(実践集団)として、理想を机上に描くだけではなく、小さくてもPoC(概念実証)として形を作りだし、仮説検証や仲間づくりに伴走することで顧客のイノベーションのジレンマの解決に取り組みます。
海外戦略においては、国内で培った47年に渡る知見を活かし、成長著しいマレーシア、インドネシア、インドを始めとするアジア・大洋州地域での事業展開を図ります。そして循環型社会のプラットフォーム構築を通じ、これからの時代に必要な価値創出を目指します。
不安や不確実性が高まる社会において、新しい秩序の駆動力となるのは「どんな社会を見たいか?」という一人ひとりの願いであり、希望です。「みんな主役でみんな脇役」というエコシステム社会の実現に向け、アミタグループ一同、一意専心に取り組んでまいります。
本年もご支援・ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
2025年1月1日
代表取締役会長 兼 CVO 熊野英介
道心の中に
衣食あり
当社会長 熊野英介の
メッセージを動画・テキストで
お送りします。
しまうま
トーク
社長の末次が、
ゼブラ仲間を探して
全国の企業や大学、研究所を巡る